古都京都、豊かな自然に囲まれ歴史的建造物が立ち並ぶこの場所には、日本も有数の歴史を誇るMETROやWORLDと言ったクラブが立ち並ぶ。この京都という場所を拠点にDJとして活動するSA!Dにインタビューを行った。

Tacos : DJを始めたきっかけは?
SA!D : 元々バンドをやっていて、好きだったバンド"Korn" のアルバム、"The Path of Toatality" でコラボしていた”Skrillex”らを知ったことがきっかけでDubstep、Drum'n'Bassなどのジャンルにハマり調べていくと彼らがDJだとわかりそこからDJ機材を触るようになった
Getup! / Korn, Skrillex
Tacos : DJは独学??
SA!D : 学生の頃のバイト先にたまたまDJ機材のセットが置いてあってバイト終わり一人ひたすら触って練習してた。
Tacos : クラブに出るきっかけはどこで?
SA!D : そのバイト先がなくなる時にそこの店長が 「DJしたいんやったら、そういう場所で働くのがいい」と言われて紹介してもらったのが働き始めたのがWORLD。一番最初にクラブは名古屋のIDで友達に引っ張られていったw
Tacos : それが2015年とかそのくらい??
SA!D : ちょうどそのくらいで、一番最初は当時の火曜日のレギュラーでDJしてた。
Tacos : 何かそこからそれこそフェスだったりとか出るきっかけっていうのはどこで。

SA!D :2018年、2019年に出演したULTRAJAPANは各地方のDJが出演するステージがあって
そこから話を貰えたのがきっかけかな。
Tacos : その時と比べると、コロナ前最後のウルトラはResistanceはなかったし、今の音楽シーン的にもHard wellがテクノっぽい曲をUltra Miamiで披露したり、かつてオーバーグラウンドだったアーティストもアングラというか、硬派な音楽になりつつあるように思えるんだけど、
SA!D : 今またHouseブームが来ていて各プロデューサーやアーティストもHouseテイストをフィーチャーした楽曲が増えてきたしプレイに組み込むことも増えたけどシーン的にコロナ前の2019年は節目だったような気はしてる。いわゆるEDMと言われていたオーバーグラウンドのシーンを壊していけるのかっていうこともだし、クラウド側も飽きていないのかなって。EDM疲れ的な。その中でコロナ禍になって、クラブイベントやフェスが行われなくなった時に、SpotifyやApple Musicで音楽は聴けるけど、なかなかクラブやフェスで聴いてた音楽を【体感できる場所】は無くなったと思う。
Tacos:そういう意味ではクラブでしか聞けない音楽を身近で体験できる場所ってなかったなとは思う。知らない曲をかっこいいと思ったり、それで仲良くなったりっていうリアルなコミュニケーションが無くなったというのはあるかもね。自分が知っている情報を選択できる時代、例えば好きなアーティストをインスタとかでフォローするけど、わざわざ興味な異人をフォローしたりはしないし、コラボでたまたま知ったり、情報に対して与えられた範囲で知ることができないのはオンラインのデメリットでもある。
SA!D : ただでさえ他の国と比べて、音楽、クラブ文化に理解が少ない中で、知らない曲をフロアでかけたり、挑戦的なことをやったとしても拒絶反応が起きてしまうっていうのはあるよね。

Tacos:今後、そういうクラブシーンってどの時代でもそのアンダーグラウンドに見られてしまう場面が多いというところはあるかもしれないけれども、どうしていけば知見が広がっていくのかなと。
SA!D : もうすでに取り組まれているけど、時間帯や場所に縛られないイベント作りは大事だと思いう。公共の場だったり、開催されている時間でそれまでDJやクラブに関わりない層にリーチできて、見たり触れ合ってもらえる場所を作っていくことが結果として、夜のパーティーの導入につながっていくのではないかなと思う。
Tacos:それで言えば、WOMBでクラブイベント終わった朝方の時間にヨガイベントをしたりしてたなと。京都で言うとそれは難しいかもしれないけれど、年間8000万人近い観光客が来ている中で音楽と結びつけたイベントはできると思っている。別にそれはDJ以外でも、貴船神社でも今あるSOUND TRIPでここでしか聞けない音楽をコムアイとコラボしてたり、みたいな感じで。そうでなくてもホテルには泊まる人は多いだろうしね。
SA!D : ホテルなんかがリンクするとすごい面白いし可能性は広がると思う。アフロマンスさんがやっていった早朝フェスみたいに生活にアプローチしてるイベントとかも面白いと思う。
Tacos:そう言う意味ではイベントに関してもいつも通りのフォーマットではやっていけない場所が京都ではあるのかも。自分の地元である札幌も観光客は多いと言われてるけど京都と比べると比較にならない300万人程度、しかも体験型のアクティビティが多いから夜遊ぶ人は余程のクラバーじゃないと行かない。
SA!D : 国内はもちろん、海外からのツーリストも多くて国もバラバラだから曲もアプローチもその日によって全く違う。ジャンル固定でやり切るスタイルは少し難しいかもしれない。
自分はDJだから旅行先でもナイトアウトを楽しみたいって思うけどそうじゃない人もう多いだろうからそこの底上げは課題だと思う。
Tacos:そう言うイレギュラーな部分や楽しませられる空間があるからこそ、京都メトロが32周年、WORLDが21周年と歴史が長いのもあるのかもしれない。地方都市でここまでの振り幅のある場所ってなかなかないんじゃないかなと。
SA!D : ハード面も独特なお店もあるし、基本オープンフォーマットのお店がほとんどの中箱の特色が出ているイベントもあって今レジデントを務めてるWORLDでいうとヒットアーティストがくるパーティもあればHIP HOPのイベントもあるしベース系のイベントもある。変幻自在なのが色な箱だと思うし、その振り幅がおもしろい。
Tacos:その上でこれからを考えたときに、イベントや個人としてでもどんなことをやっていきたい?
SA!D : 自分が主催するHANGOUTというイベントについていうと、音を純粋に楽しむイベントって東京とか大阪とか大都市に偏っているイメージだけどそれを京都でシーンを作るのが目標。
Tacos:なるほどね。

SA!D : 自分が京都拠点でで活動してるのも同じ理由で、今の場所でイベントもアーティスト活動も成功できなかったらどこでやっても成功できないんじゃないかなと。京都でやって全国に認知させたいっていうのを大事にしたいしそれが自分のDJとしての経歴になってくると思う。
Tacos:今ってHANG OUTって何回目??
SA!D : 今回7/17に開催されるHANGOUTが4回目。最初2回はゲストなしで、3回目がDJ NATSUMIちゃん、今回4回目でbanvoxくんで招いてWORLD21周年と言う節目のイベントになる。もちろんゲストDJでスペシャルなパーティをやるのも楽しいけど、HANGOUTっていうパーティを楽しめる環境をみんなで作っていきたいね。
Tacos:なんだかんだ楽しめたパーティーはまた出たいなって思うし、楽しめるパーティーが長く続くと思う。

SA!Dの詳細は以下で要チェック!
instagram said_jpn
Spotify SA!D said_Playlist
SoundCloud https://soundcloud.com/saidjpn
Special Thanks WORLO KYOTO
Intervier Yuto Takoshima a.k.a Tacos